不眠治療用スマートフォンアプリの臨床試験始まる

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2016.11.29 Tue. 

sleepy man in the window

サスメド株式会社(以下サスメド)とDeSCヘルスケア株式会社(ディーエヌエーと住友商事の合併会社)は、不眠治療用スマートフォンアプリの企画・開発について業務提携契約を締結し、2016年9月から臨床試験を開始した。

この動きの背景にあるのは、日本人の5人中1人に睡眠障害の疑いがあり、睡眠障害による日本の経済損失は年間3.5兆円に上るという試算から。不眠症は、精神疾患や高血圧症、糖尿病のリスク因子となることが知られており、適切な不眠症治療は、経済的観点からも生産性向上を考える上で重要な課題であるとされる。この治療法として一般的に睡眠薬を処方するが、日本における睡眠薬の処方量は先進国の中で群を抜いて多く、睡眠薬として用いられるベンゾジアゼピン系薬剤の人口当たりの処方量は米国の約6倍に上ることが国連の国際麻薬統制委員会から指摘されてきた(サスメドのリリースより)。

今回の不眠治療用スマートフォンアプリに期待されるのは、非薬物療法による不眠症の治療であり、同時に、本アプリが医療機器として認可されることが目的とされている。

サスメドの代表を務めるのは医師でもある上野太郎氏。長く睡眠についての研究を行い、不眠による健康への影響を指摘してきた。安易な睡眠薬の使用ではなく、認知行動療法に基づき、医療機器として認可されたプロダクトで治療にあたることが必要だとして、衣料品医療機器等法などの規制をクリアする構え。この実現にあたり、サスメドはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のスタートアップイノベーター支援事業に立候補、2015年にファイナリストに選出されていた。

スマートフォンアプリの臨床試験は、2016年9月より、公益財団法人神経研究所附属晴和病院および社会医療法人芳和会くわみず病院と連携してスタート。患者は医師の処方でアプリをインストールし、アプリ利用料は3割負担の患者で月300円程度を想定。日々の睡眠時間の記録や、生活の見直しを促すなどコミュニケーションツールとしても有効。「アプリを通じて患者の日常生活を把握できれば、限られた診察時間の中でより具体的な指導ができるようにもなる」(上野氏)と、新たな治療法の確立に期待が集まっている。

サスメド株式会社:http://susmed.co.jp/press201609

NEDOによるリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100617.html

文・ふるたゆうこ

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