「かっこいい」で医療現場の気持ちを高揚させたい。”オシャレな白衣”を生んだクラシコの次なる一手とは――

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2017.02.03 Fri.  黒沼由紀子

確かな品質とスタイリッシュなデザインの白衣が評判のクラシコ。過酷な勤務環境で働く医療従事者たちの「気持ちを高揚させる」白衣は、オリジナルはもちろん、「ロンハーマン」や「plantica」「東京慈恵会医科大学」など他社とのコラボレーションも加え、進化し続けています。その勢いは白衣に止まらず、聴診器開発やアートレンタルサービス「DRESS」のスタートにも波及。デザインによる医療現場への貢献は、ますますの広がりを見せています。だれも手がけてこなかったニッチな分野へ挑戦するクラシコ大和社長に“白衣の次に目指すもの”をお聞きしました。

クラシコ株式会社 代表取締役 大和 新氏

――2015年に聴診器、2016年3月にMedicatessen(メディカテッセン)というメディア事業、同年12月にクリニック専用アートレンタルサービス「DRESS」と白衣以外にも事業を拡大されています。それぞれの開発経緯を教えてください。

どれも違った分野で脈絡がないように思われるかもしれませんが、考え方としては一貫しています。”デザインにより医療従事者の“気持ちを高揚させる”という我々のミッションを具現化しているということです。

白衣事業は、中学時代の同級生である友人医師の「くたびれた白衣では気持ちが萎えてしまう」「かっこいい白衣がほしい」との言葉がきっかけで始まったものです。アパレル業界ともファッション業界とも無縁なインターネット業界から飛び込んだのですが、始めてみてすごく思ったのが、医療業界がかなり独特の業界だということ。

昔から変わっていないものがすごく多いし、人間の感性的なものがおざなりになっていることが多いように思います。たとえば病院の雰囲気。昔から同じですよね。グレーの冷たい床、蛍光灯、消毒液のにおいetc… 最近では病院内にスターバックスなどができ、そこに人が集中しているのを見ると、病院全体がスタバのような雰囲気になってもいいのでは? と思います。

それに多くのドクターは患者さん第一で動いて自分自身は過酷な環境でも放置しがち。そんなときに着るだけで気持ちが変わるような白衣をつくれないかと思いました。

聴診器開発に乗り出したのは、医療ドラマを見ていても、白衣と聴診器ってセットなのに聴診器も白衣と同じく昔から変わっていないことに気付いたから。事実、200年聴診器は同じ形をしていたんです。しかも、あるメーカーがグローバルシェア8割を占めていて選択肢がなかった。競争原理が働いておらず、不満があったとしてもなかなか改善されなかったんです。そんなときに国内で聴診器をつくるノウハウを持っているケンツメディコさんと組み、ドクターにとって使いやすい聴診器をつくろうという話が持ち上がり、約3年半かけて開発しました。

美しさと機能を兼ね備えた新しい聴診器は2種のデザインから選べる。それぞれブラック、シルバー、シャンパンゴールドの3色展開。U scope ㊧Single Champagne Gold ¥43,000(税抜)㊨Double Champagne Gold ¥48,000(税抜)

聴診器を開発してみて実感したのは、経験も知見もない中でゼロからプロダクトを作りあげるのは大変だということ。現場の知見や、他メーカーの力を借りないとスピーディで質の高い開発はできない。そこで、メディアを通じて、医療現場の常識をゼロから考え直し、新しいあり方を模索すること、その中で様々なメーカーと商品セレクトや開発を行うこと、そして、そのプロセスそのものを医療現場を豊かにするコンテンツとして提供することができないかと考えたのが「メディカテッセン」です。

医療の環境に豊かな時間とライフスタイルをつくる、あったら幸せになる「医・衣・食・住」を届けるメディア「メディカテッセン

メディカテッセン」の中で、アロマやグリーンパネル、フラワーユニットなどを院内環境向上のツールとして取り上げる中で気づいたのが病院内のアートという分野です。

病院やクリニックには必ずと言っていいほど絵が飾られているじゃないですか。申し訳ないけれど、昔ながらのコテコテの“誰が選んだのだろう?”と思ってしまうようなものもまだまだ多い。その点に疑問を感じていたこともあります。

そこで、ドクターたちにアートについてアンケートをとってみたところ、次のような傾向がわかりました。

  • 半数以上は院内に6点以上の絵を飾っている。それもかなり大きいサイズ。
  • 飾っている理由は“雰囲気をよくしたい”、“患者さんの緊張を和らげたい”。
  • それなのに“なぜこの絵なのか?”と疑問に思うようなものが多い。
  • 実際、絵を選んでいるのは院長や理事長の鶴の一声であることが多い。
  • 価格も高く、簡単に導入や変更できるものでもない。

院内のアートに課題を感じている人が多いものの、実際には選択の余地がないという実態が見えてきたんです。そのとき、たまたまアートシェアリングサービスを行うART STANDさんと知り合うきっかけがあり、先方も医療機関向けのサービス展開に興味を持たれているとのお話がありました。そこで、共同でDRESS」というクリニック向けアートレンタルサービスを始めることとなりました。

クリニックにアートをレンタルしてくれるサービス「DRESS」。月額の支払いでニーズに応じて専門のコーディネーターが約6,000点の作品からキュレートしてくれる。写真は作品の一例
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