D to Dの遠隔医療支援から、皮膚疾患・眼科疾患のAI画像診断でアジアへ―― エクスメディオ Co-Founder & CTO今泉英明氏

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2017.02.07 Tue.  黒沼由紀子

約2年前の2015年、いち早くD to D(Doctor to Doctor)の遠隔医療支援に乗り出したエクスメディオ。皮膚科医以外が臨床で出合った皮膚疾患の画像について専門医が診断をするなど、専門医と非専門医を繋ぐ他科コンサルトサービスは、医師たちの知見獲得の場である「医局のソファ」をアプリ上で実現させた画期的なものです。昨年2016年は経済産業省のIoT Lab Selectionで受賞、慶応義塾大学医学部が主催する「健康医療ベンチャー大賞」のメンターに選ばれるなど、著しい活躍を見せています。新しく刷新されたアプリ「ヒポクラ」や遠隔診療の課題点、今後の展望、2017年に注目の分野について聞きました。

エクスメディオ Co-Founder & CTO今泉英明氏 

――遠隔医療というと映像や音声を通じて患者を診察するD to P(Doctor to Patient:医師から患者)のシステムが多い中、D to Dのサービスを開発された経緯について教えてください。

代表の物部が臨床の現場で感じていた課題に端を発しています。物部は、精神科医でもあるのですが、精神科領域以外の疾患の診療に自信が持てないことがジレンマだったといいます。精神科病棟は長期入院の患者さんも多い。そうすると、褥瘡など皮膚疾患も発症しがちですし、ほかにも眼科疾患や外傷など精神科領域以外にも様々なトラブルを抱えていらっしゃる。それなのに、精神科病院には、皮膚科や眼科など専門の医師は十分にはおらず、自分で診療するしかない。そうすると当然誤診も発生してしまうわけです。こういった状況は、全国各地で起きているはずで、事実、高齢者の7割が何らかの皮膚疾患を持っていて、そのうち7割を皮膚科医以外が診療し、5割が誤診というデータもあるほどです。専門外の診療に迷う医師を救うことで、より多くの患者さんを救いたい。そんな思いから、D to Dの遠隔医療支援に目をつけました。

D to P(Doctor to Patient)は参入する企業が多いし、果てしないニーズがありますが、D to Dだとある程度ニーズが限られていて、その先に患者さんがいる。お医者さんを助けてその先の数多くの患者さんを助けたいというコンセプトです。

――「ヒポクラ」では具体的にどのような遠隔医療支援を提供しているのでしょうか?

 「コンサルト」と「知見共有」という2つの大きなサービスがあります。「コンサルト」というのは、専門医と非専門医を結ぶ他科コンサルトサービスです。該当する疾患の非専門医が遠隔にいる専門医に画像やメッセージを通じてコンサルト依頼を行うもので、24時間いつでも相談可能で、平均30分で回答が得られるものとなっています。現在は、皮膚科と眼科をサポートしています。相談に回答してくれる専門医は、約30~40名ほどいます。

コンサルト結果画面の一例。相談者が専門医に送った画面下の患部画像や患者情報をもとに専門医が診断支援を行う。

一方、「知見共有」は薬の使用について医師同士で相談できるサービスです。薬の使い勝手や治療に近い部分、たとえば“こういうとき、どういう薬を使えばいいのか”“一度やめてしまった薬の再投与はどのくらいから始めたらよいのか”“この薬を使用しているが効果が出ない。切り替えるなら何がいいか”といった疑問を医師ユーザー間でやりとりします。日常の診療の中で出てくる疑問に対して、教科書やガイドラインにはない各医師の経験に基づく知見を得られるのが特徴です。

知見共有のやりとりの一例。医師ユーザーが投げかけた診療上の疑問や投薬についての質問に、他の医師たちが回答を寄せる。

――ユーザーの医師はどんな方が多いのでしょうか。また、ニーズが高いのはどのようなことでしょうか。

一般内科の医師が最も多いです。プライマリ診療の現場で、内科疾患だけでなく皮膚や眼科など様々な症状の初期対応をされたり、入院患者さんの全身管理を担当されていらっしゃいますからね。病院の先生、クリニックの先生の割合はきれいに半々です。

最も利用者が多いのは、「コンサルト」内の皮膚科周りですね。以前は「ヒフミル」というブランド名で提供していたサービスですが、当社で最初に立ち上げたサービスということもあり、かなり広がっていることを実感します。レスポンスが早く、平均でも30分、早いと5分後にはコンサルト結果が届くことも9割を超える高い満足度の要因のようです。一般的な皮膚疾患はもちろん、皮膚がんやTEN(中毒性表皮壊死症)などの緊急度の高い疾患もあります。

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