Pepperが変える医療・介護の現場

Technology

2017.02.28 Tue.  HEALTHCARE Biz編集部

ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」は、医療・介護の現場にもイノベーションを起こし始めている。2月8日、9日に虎ノ門ヒルズで行われた「Pepper World 2017」の展示より、編集部が注目した3つのソリューションを紹介する。

Pepperが健康への意識を高め、
病院での待ち時間をも変える

病院や調剤薬局に特化したソリューションが「疾患啓発」だ。医療機関受診で大きなストレスとなる待ち時間。まだか、まだかとイライラを募らせがちなこの時間をPepperが劇的に変える。たとえば、こんな具合だ。

1. Pepperが患者の症状をヒアリング

Pepperが症状を質問。患者は、Pepperの胸元のタブレットに示される回答を選択する。

2.可能性のある疾患を提示したり、症状に合った健康情報を案内

回答結果に応じてPepperが疾患の可能性を提示したり、検査をサジェスチョン。回答結果は出力もされる。

3.疾患への知識を高めたうえで、いざ医師診察へ

それはまるでPepperによる簡易問診。健康チェックの結果は、プリントアウトされるから診察時に医師への提示も可能だ。

まだ限られた医療機関でのテストマーケティング段階だというが、その効果は絶大。疾患に関する疾患啓発を行ったことで、早期発見のための検査数が増加しているという。骨粗鬆症に関しては2.5倍、呼吸器疾患であるCOPDは8倍、SAS(睡眠時無呼吸症候群)は5倍も検査件数が増えた

コンテンツは予め用意されたものだけでなく、医療機関や調剤薬局の患者傾向に応じた独自コンテンツも設定可能。産婦人科では乳がん予防を案内、小児科では予防接種状況を確認、高齢者には認知症チェックを・・・といったカスタマイズの可能性は無限大。親しみやすいPepperによる疾患啓発で、健康リテラシーの向上が期待される。

問合せ先
Web:https://goo.gl/WenQR9
電話:0800-170-6020(平日午前9時~午後6時)

歌って踊ってクイズして――
介護現場の盛り上げ役としてのPepper

高齢者に笑顔を届けるPepperが介護現場を変える。それが株式会社エクシングによる介護施設向けロボアプリ「健康王国 for Pepper」だ。

たとえば、Pepperによるレクリエーション提供。体操・ダンスの講師として振付を先導したり、クイズの司会者となったり、懐かしのニュース映像で入所者をタイムトリップに誘うことで、入所者の気持ちを高揚させるだけでなく、介護現場のコンテンツ不足や、人材不足の解消に一役買っている。特にデイサービスでの導入が多いという。

Pepperの動きに合わせてダンス。Pepper「手を繋いで前後に振りましょう!」

入所者や利用者との個別の対話も可能だ。顔認識機能により、Pepperが個人を認識。名前を呼びかけての親しみやすいコミュニケーションが行われる。「昨日はよく眠れた?」「今日はいい天気だね」といった日常的な会話から、「子どものころどんなことして遊んだ?」「何の歌が好き?」といった利用者理解を深める会話まで豊富な会話パターンが搭載されている。会話パターン・シナリオは定期的に追加もされるから、継続的に親密なコミュニケーションをとっていける。

また、現在開発中なのがPepperとカラオケを楽しめる機能。同社が運営する通信カラオケ「JOYSOUND」のカラオケ音源にあわせて、歌ったり、合いの手を入れたり、歌唱前後にコメントしたりと、Pepperが盛り上げ役を買って出る。ロボットなのになぜかロックより演歌が似合いそうなPepper。高齢者のアイドルになること請け合いだ。

健康王国レク for Pepper
https://roboapp.joysound.com/

健康王国トーク for Pepper
https://roboapp.joysound.com/talk/

監視ではなく見守りを。
徘徊に対応するPepper

介護施設や病院での徘徊を見守るPepperもいる。LYKAON(リカオン)株式会社による顔認証徘徊防止システムと連動したPepperだ。

顔認証を行った入所者や患者が徘徊を行ったり、無断外出、離院をしようとすると、出入り口に設置されたカメラが検知。スタッフへの通知と併せてPepperにも通知が飛ぶことで、Pepper自身が該当者へ「●●さん、どこへ行くんですか?」といった声かけを行う。Pepperが介されることで、監視や咎めでなく温かな見守りが実現されるというわけだ。

徘徊は予測が難しい。そのため、監視の目を光らせなければならないスタッフの負担は甚大だ。しかも、介護現場は慢性的な人手不足に悩まされている。職員の負担軽減と、事故を未然に防ぐ仕組みにPepperの温かみがプラス。介護施設はもちろん、入院患者を抱える病院や精神科の閉鎖病棟などでも導入がされているという。

なお、徘徊防止システムとPepperとの連動はユーザーからの声がきっかけだったとか。現場から生まれたソリューションだからこそ、より一層の広がりが見込まれる。

顔認証徘徊防止システム
http://www.facial-lykaon.com/

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