スマホでインフルエンザを1分診断――迅速診断チップが検査を変える。

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2017.03.17 Fri.  黒沼由紀子

医療費高騰、パンデミックetc.
インフルエンザの社会的インパクト

昨シーズンでは国民の約12%がかかったというインフルエンザ。今シーズンのインフルエンザ抗原検出キット(迅速タイプ)の供給予定量は約2,733万回分とされる※1

インフルエンザをはじめアデノウィルスやノロウィルスといったウィルス検出のPOC(Point Of Care)検査市場は2018年に1,062億円の予想※2

世界のリキッドバイオプシー(血液や尿、リンパ液など人間の体液に含まれる成分を手軽かつ精密に検査する手法)市場は2020年には45億米ドルに達すると予測され、年平均で約22%の成長が見込まれている※3

どの数字をみても、ナノティスが着目したマーケットはビジネスにおいて有利なことが予想される。

現在は製品としての開発段階。日本国内では規制の壁があり、今後のソリューションは検討中とのこと。実現されたならば、個人はドラッグストア、ネット通販等でナノティスを購入、疾患を自分で即時診断。通院することなく薬の処方まで行われる仕組みができたなら、体力的にも費用的にもどんなに負担が減るだろうか。

病院や医療機関においても即時診療が可能となり、遠隔診療や蓄積されたデータ解析により、効果的な医療・研究が行われていくだろう。

「今後の方向性としては考えているのは2つ。まずは日本でのインフルエンザ診断に活用されることを目標とし、その後、アメリカをはじめ先進国に普及していきたい。もう1つはインフルエンザウィルス以外のノロウィルスやジカ熱、危険度の高いHIVやエボラ熱ウィルス診断への応用。新興国や発展途上国など、医療が発達しておらず、電源がないような地域でも使えるナノティスの技術についてフィールドワークを行っていきたい」(坂下氏)。

40兆円を超える医療費高騰に歯止めをかけ、インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)への備えも期待される。それだけにとどまらず、あらゆるウィルス性疾患への技術展開により、世界が抱える感染症対策に活用される未来を望んでいる。

※1:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/influenza/
※2:https://www.fuji-keizai.co.jp/market/15005.html
※3:Liquid Biopsy Research Tools, Services and Diagnostics: Global Markets http://www.spi-information.com/report/12249.html
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