空間を丸ごと抗菌せよ!感染症対策のイノベーション「デルフィーノ」

Service

2017.04.07 Fri.  黒沼由紀子

株式会社デルフィーノケア(東京都目黒区)は「感染ゼロを目指して」というコンセプトで抗菌・抗ウィルス対策を行っている企業だ。過去12年間において、法医解剖室や警察での遺体からの感染予防対策、病院での院内感染予防、救急車内での感染予防などを手がけている。2016年11月からは一般企業向けのサービス「オフィスまるごと抗菌コーティング」をスタートさせた。最近では 関西国際空港内の施設を“まるごと抗菌”。ワークスペース全体(壁・床・デスク・キーボード・電話・ドアノブ等)のあらゆる箇所の抗菌化を行い、ウィルス感染経路の半数以上を占める“接触感染”の予防を促す。

2016年夏に関西国際空港の従業員らが麻しんに集団感染し、ニュースになったのは記憶に新しい。リオデジャネイロオリンピック開催においてはジカ熱の感染拡大が危惧され、出場を辞退した選手もいた。年々、国をまたがっての感染症が話題になる中、デルフィーノケアは関西国際空港・JAL国際線/国内線ラウンジ、貴賓室の全室において抗菌作業を実施。インフルエンザやノロウイルスなどの感染症や、接触感染の予防で、利用者の安全・安心を高めている。

「デルフィーノ」が生まれた経緯が興味深い。司法解剖などでご遺体からの感染症の危険にさらされていた解剖医や検査技師からの要望で開発に着手。杏林大学・佐藤喜宣教授(法医学)の協力のもと、細菌感染のプロセスや抗菌素材の研究を重ねた末に誕生した。

業界初・3種の触媒反応を組み合わせた抗菌サービス
「デルフィーノ」

3種とは塩素の3倍ともいわれる強力な酸化力のある光触媒TiO2:酸化チタン、FDA(アメリカ食品医薬品局)に650種以上のウィルス・菌に有効と認められ、古くから銀食器や銀歯などとして除菌・殺菌に用いられている抗菌触媒Ag:銀、有毒な排ガスを浄化する三元触媒Pt:プラチナだ。これらの触媒反応を利用することで、抗菌、抗ウィルス、防臭、防カビに効果を示す。

作業としては専用の噴霧器で「デルフィーノ」を散布し、室内の壁・床・天井や電話、キーボードや机の裏までコーティング(画像1⃣)。コーティングされた面にウィルスや菌が触れると不活性化を促し、増殖が防がれる(画像2⃣)仕組みだ。スペース全体の抗菌化により、ドアノブなどを介した接触感染、壁や床に付着し埃とともに広がる空気感染を予防する

司法解剖を行う法医学教室から始まり、警察のご遺体安置所、葬儀社、災害現場、医療現場などご遺体がある場を中心に利用されていたが、抗菌への意識の高まりを受けて昨年10月からは「お部屋の抗菌サービス」を、さらに2016年11月からはオフィスなどをまるごと抗菌するサービス「オフィスまるごと抗菌コーティング」をスタート。全国の消防・警察署、空港やバス、大手一流ホテルなどの大規模施設だけでなく保育園やスポーツジムなどにも広がり、2016年度中には100社以上への導入実績がある。現在は月20件前後の依頼があるという。有効期間は約1年、料金目安は50㎡、作業員1名で12.5万円~、全国に対応。毎年30名近くのインフルエンザ感染者を出していたオフィスで、施工後2名の感染にとどまったという報告もある。

主な導入先とその目的

  1. 法医室 遺体からの感染症予防とホルムアルデヒドの濃度を下げるため
  2. 救急車 救急車内での菌やウィルスの二次感染を防止するため
  3. 自衛隊 調理室でのノロなどの感染防止
  4. 学習塾 受験の季節が一番インフルやノロが流行るための感染防止
  5. タクシー 運転手の加齢臭防止
  6. 動物病院 他のペットからの感染を気にする来院者が多いので、安心のため施工
  7. 調剤薬局 特に小さなお子さんをお持ちの方が感染症の心配をされるため、感染予防として
  8. 新築の施設 シックハウス症候群の予防のため
  9. 関西空港 麻疹などの感染症予防とラウンジのカレーの臭い軽減
  10. プロレス マット菌と呼ばれる白癬菌(水虫)の繁殖防止のため。マット菌が傷口に入ると高熱や傷の治りが遅くなる
  11. 柔道場 トンズランス菌という南米の白癬菌防止のため

感染症予防だけでなく、安心して働ける職場環境になり、企業イメージも向上。1年に1度施工するのみでフィルター清掃などのメンテナンスが不要というのが大きな強みになっている。

環境衛生面からの働き方改革
「オフィスや学校にも“予防接種”を」

このサービスは「働くママにより良い労働環境を!という想いでスタート」したそうだ。働くママにとって、子どもの健康リスクをゼロに近づけることはかなりのインセンティブがある。海外出張者も多く、人の出入りも多いオフィスは、ウィルス感染リスクが高い。オフィスや保育園・幼稚園から余計なウィルスや菌を家庭に持ちこまないことで得られる安心はありがたい。また、昨今話題の「働き方改革」にもいち早く賛同し、「働くママの除菌・抗菌意識に着目し、環境衛生面での働き方改革を提案する」とのこと。

2020年までに上場企業を中心に600社に導入してもらうことを目標としています。
オフィスまるごと抗菌に関しては、インフルエンザの予防接種と同様にオフィスにも予防接種をしてもらえることの“当たり前化”を目指しています。
健康経営の観点から社員の健康を守るには、メンタルヘルスやメタボ対策だけでなく、感染症という身近な脅威にも注目していただけるよう、啓もう活動なども行っていきたいと考えています。

また、働くママは、限られた時間の中でがんばっている方が多く、感染症に対して敏感になっています。そんな働くママを感染症予防の面からサポートできるような新サービスなども考えていきたいと思っております。

小学校にも着目しています。年間で3万クラスほど学級閉鎖になる年もあり、学校内での感染も多いのではないかと推測しています。“小学校まるごと抗菌”なども近いうちに展開したいと考えています」(代表取締役・宮本氏)

デルフィーノケアの取り組みは今後ますます注目されることだろう。

「オフィスまるごと抗菌コーティング」に興味のある方は、こちらからお問合せ下さい

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