「健康経営」をめぐるヘルスケアIT最前線

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2017.05.02 Tue.  田中祐子

「テクノロジーが変えるヘルスケアの未来」をテーマに、4月19〜21日に東京ビッグサイトで行われたイベント「ヘルスケアIT」(主催:UBMジャパン株式会社)。81社が出展し、約200の製品が発表された。「健康経営」というキーワードが世に広く浸透し、小規模事業所から大企業までが実際にいかに導入・運用していくかに焦点が移っている今、サービスを提供する各社がその技術や内容でしのぎを削っている。その数々の最新製品の中から、注目の健康経営ソリューションをリポートする。

【ドコモ・ヘルスケア株式会社】
企業の健康データの「見える化」を応援する新サービスをお披露目

ドコモ・ヘルスケアは2017年4月から順次、新たに3つの法人向けヘルスケアサービスを提供開始。今回のヘルスケアITでその全貌を披露した。

そのひとつが「健康サポートLink」。企業が健康経営の概念を導入しようにも、社全体としての“健康状態”がわかるまでデータを収集し、分析するのが困難かつ膨大な作業。「健康サポートLink」は会社にとって必要でありながらも大きな負担となっている「健康プラットフォーム」の構築をアシストしてくれる。

従業員は歩数・体重・血圧などの健康データをスマートフォンアプリで管理。データは同時にクラウドにアップロードされ、リアルタイムに集計・分析可能になる。集計されたデータは個別の保健指導はもちろん、企業の健康経営の指針づくりなどにも大いに役立つ。さらに、会社全体の歩数対抗イベント等も手軽に実施できるシステムとなっており、企業の健康施策の簡易化を一気に可能にしてくれるのだ。

「健康サポートLink」で管理される歩数データは、専用アプリのほかウェアラブル活動量計「ムーヴバンド」での計測も可能

また、「健康サポートLink」の他にも、コインを集めるなどゲーム感覚で楽しみながら生活リズム改善を狙う「Reborn MAGIC(リボーンマジック)」(4月〜)、食事写真の投稿で専門家のコーチングが受けられる「フォトエット」(6月〜)の2つのサービスもリリース。どちらも従業員が参加しやすく、個人のモチベーションをキープしやすいように、ユーザーが楽しめる仕掛けが随所にされているのが魅力だ。

「Reborn MAGIC(リボーンマジック)」はデータ入力もゲーム感覚で楽しめるのが特徴。
「フォトエット」では食べたメニューの写真を送るとコーチや仲間からの評価・コメントがつき、モチベーションがあがる

問合せ先/ドコモ・ヘルスケア株式会社
Web:http://www.d-healthcare.co.jp/business/

【エムティーアイ】
企業の健康増進施策をきめ細やかにサポート

健康経営に取り組み始めた企業には様々な課題が見えてくる。その解決のために必要となってくるのが、情報収集、整理、分析などになるわけだが、それらの健康経営の充実したスタートパックを用意しているのが、ルナルナなどで知られている株式会社エムティーアイだ。

一年ほど前からCARADAという健康データと健診結果を一括管理できるサービスを提供し始め、すでに200社ほどが利用している。今回はさらに企業向けとして、全従業員の健診結果の管理一括化、ストレスチェック機能、24時間365日心身の一般的な相談や疑問について医師やカウンセラーが回答してくれるWEB相談をパッケージングして展開を開始した。

また、そのデータを生かし、健康経営優良法人や健康経営優良法人ホワイト500の認定取得への提案、施策などをサポートする支援サービスをオプションとして用意。企業経営者、担当者にとって健康経営の導入・運用の簡略さや明確な目標の設定が、従業員サイドにとっては医療従事者へWEB相談ができるなど利用価値が高いコンテンツが揃っており、“完全版”と同社がうたっているように痒いところに手が届くサービスとなっている。

問合せ先/株式会社エムティーアイ
http://www.mti.co.jp/

【マピオン】
地図と位置情報を活用したゲーム感覚のウォーキングアプリ

地図で有名なマピオンが提供する健康をサポートするウォーキングアプリが「aruku&(あるくと)」。楽しく歩行活動ができる健康ソリューションだと話題だ。

仕組みは簡単。手元のスマートフォンにアプリをインストール。マップ上に自分の位置情報が反映されつつ、歩けば自動的に歩数が把握される。一定歩数を歩くとアプリ内の“住人”と呼ばれるキャラクターに出会い、「猫ちゃんと1000歩お散歩して」などと具体的なミッションが発生し、達成すると“宝箱”をもらえる。それを集めると協賛企業からの実際の商品に応募できるシステム。

手持ちのスマートフォンで始められる気軽さ、楽しさ最優先というゲーム性で30日後も57.6%と高い継続率、それでいてミッション達成のためについつい歩いてしまう誘導力もある。ライトユーザーをターゲットに昨年11月のリリース以降、登録者数が12,000人を超え、その数を確実に伸ばしている。

企業や健康保険組合向けのプランでは、社員間で競合するためのランキング機能独自のウォーキングコースや景品の設定も可能。さらに全データのサマリーレポート、また個人別詳細のデータなどのWEB管理ツールがあるので、健診データと組み合わせることで健康経営のツールとして活用が期待できる。

2017年3月3日よりAndroid版を提供。登場するキャラは30種10万個以上

aruku&(あるくと)
https://www.arukuto.jp/

問合せ先/株式会社マピオン
http://corporate.mapion.co.jp/

健康経営成功のカギは産業医活用にアリ。
産業医のご相談はエムステージ産業医サポートサービスへ。

Writer Profile

田中祐子 Yuko Tanaka

フリーライター、エディター

生活情報誌・書籍・ムックなどの編集者として出版社に14年間勤務。医療関係、ファッション、文芸、ドキュメンタリー、暮らしまわりなど幅広いジャンルを担当。現在はフリーの編集・ライターとして編集執筆中。

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